手織り絨毯の種類

 

絨毯の歴史は長く、それぞれに背景や特徴があります。ここでは絨毯をざっくり種類分けし、簡単にご紹介いたします。絨毯選びの参考にご覧ください。

ペルシャ絨毯とは

 

ペルシャ絨毯は最古の絨毯と知られ、約3000年前のものが発掘されています。元々は、身分の高い王族が無事に来世に行けるように、来世でも高い地位に就けるようにと祈りを込めて、遺体と共に埋葬されていました。時代とともに用途は変わりましたが、昔からシルク製のペルシャ絨毯は権力や富の証として、王族の観賞用、各国への贈答用としての使い方がされていました。

 

有名産地で作られた上質なアンティークは現物資産としての価値があり、投資用に購入されることもあります。ペルシャ絨毯は、長い歴史と手織りとは思えないほどの精巧なデザインで美術品としての価値が高く、現在に至るまで世界的な人気を誇っています。

 

 

パキスタン絨毯とは

 

パキスタン絨毯の歴史は約500年に遡ります。当時帝国を治めていた人が王宮用の敷物を作らせたのが始まりといわれています。パキスタン絨毯は織り目の密度が高く非常に耐久性に優れており、ホームケアも可能なため実用的に長年ご愛用いただけるという特徴があります。 

耐久性に優れているだけでなく、見た目の美しさにも定評があります。なめらかで柔らかく、上品な艶のあるウールを使用し、象の足跡をモチーフにした伝統的なボハラや幾何学模様、織り手のアイデアをそのまま表現した絵のようなものなど、個性に溢れた柄が特徴です。

色合いははっきりした鮮やかなものが多く、その存在感の大きさについつい躊躇してしまう方もいらっしゃいますが、実は部屋を選ばずしっくりくる不思議な魅力をもっています。モダンな家具、クラシックな家具、和風な家具とも互いに個性を打ち消すことなくレイアウトできます。

パキスタンの自社メーカーで、素材からこだわり高品質な絨毯を日本の家屋に合うサイズ感でオーダーメイドしております。

 

 

アフガニスタン絨毯とは

 

アフガニスタン周辺で織られた絨毯は、黒色や深い赤色、茶褐色など落ち着いた色合いが特徴的です。柔らかくハリのあるウールを使用したパイルは耐久性が高く、通気性にも優れているため一年を通して足元を快適にします。

中でも人気のKhal Mohammadi(カール モハマディ)とKhwaja roshnai(ホジャロシュナイ)はアフガニスタン北部のトルクメン族によって手織りされたもので、どちらもシンプルな色数であることから、よりウール表面の艶めきや色の深みを楽しめる作品になっています。

 


↑Khwaja roshnai(ホジャロシュナイ) は、『ギュル』と呼ばれるトルクメン部族の紋章を小さく連続的に描いたデザインで、そのシンプルさから細かい織り技術をより堪能できる絨毯です。 

 

 

キリムとは

 

 キリムとは、トルコ、イラン、アフガニスタンを主な産地とする平織りの絨毯です。毛足がなく薄手で、通気性に優れており、さらっとした肌触りが特徴です。汚れれば水洗いをし、破れれば修理をしたり袋物に作り変えたりと現地では大切に使われています。両面使用できるためラグとしての用途だけでなく、家具にかけたりパーテーションにしたり、壁に飾って絵画のように楽しむこともできます。

 キリムには1500年以上の歴史があります。数十年~百年前に織られた「オールドキリム」は現在織られている「ニューキリム」とは織り方が異なり、糸から手で紡いで大変な手間をかけて作られていました。近年、工業製品化が進み職人が激減しており、希少価値が高まっています。「ニューキリム」は現代的なデザインと鮮やかな色遣いが特徴で、サイズや柄が豊富なためお気に入りの一点を見つけやすいという魅力があります。

 

 

 

  

ギャッベとは

 

ギャッベは太めの手紡ぎウール糸でざっくりと織られた絨毯の一種です。コシのあるウールを使用しているのでしっかりとした厚みがありふかふか。素朴で可愛らしい色遣いも特徴です。
座布団やチェアマットとして、車のシートを彩るアイテムとしてもおすすめです。

模様には幸せへの願いや祈りが込められていて、『長寿/健康』を願う生命の木や 『豊かさ』を願う羊など、意味のあるデザインでプレゼントにも喜ばれます。